2020/3/3
今月は5歳で命を落とした船戸結愛ちゃんの母親の優里被告の控訴審、また10歳で死亡した栗原心愛ちゃんの勇一郎被告の公判が始まり、これに関する報道が相次いだ。
親による凄惨な虐待が何故行われたのか、祖父母や学校や児童相談所は何故、こうした悲劇を食い止める事が出来なかったのか?多くの疑問が投げかけられ、事件そのものの解明とこうしたことを起こさないための、報道も相次いだ。
東京新聞では、「暴力の根源を克服しないと」とし、心理カウンセラーの松林三樹夫さんのインタビューを紹介、220人の加害者へのカウンセリングで、大半が親などから日常的に虐待を受けていた過去をもち「大人になり家庭で支配的になった途端、暴力を吐き出す」との分析を紹介している。
結愛ちゃんの事件を担当した弁護士も、秋葉原の無差別殺人事件の被告について、幼少期に虐待があった事を紹介し、虐待の連鎖が起きていることに言及している。
こうした事件を起こさないよう、こどもの人権をテーマに民間団体の設立の動きもあるが、予防的な対策は何かと、活動指針に苦慮しているケースも。
虐待の連鎖をどのように断ち切るのか、家庭内での問題化してない日常的な虐待、潜在的な予備軍、そこに手を入れないと解決しないが、厚労省や警察庁の調査も、そうした事件の増加を指摘している。
一方で、虐待を受けた少女などの避難場所としての子どもシェルターは16都道府県に17あるが人手や資金の不足で経営難(東京新聞)だとの指摘も。事件への関心が高まる中で、虐待の連鎖を断ち切り、虐待されている子どもたちの救済が進むような取り組みを急ぐ必要がある。